コラム

タイの大学、タイ独自の先輩後輩システム? 卒業した先輩までつながるバディ制度と、新歓「ラップノーン」

私はバンコクのチュラロンコン大学に1年間、交換留学していました。途中から大学の隣の駅に住み、公共の貸し自転車で通っていました。サイアムパラゴンの前の車の多い大通りを走る道で、今思うと少し怖い通学路です。

今回は、同じ大学に半年通ったタイ人のちゅうちと、タイの大学の話をしました。話してみると、日本の大学と似ているようで、よく見ると少しずつ違うところがいくつもありました。

3時間の授業と、学部ごとの食堂

留学して最初に驚いたのは、授業の長さです。1コマ3時間の授業が多く、90分やって休憩を挟み、また90分続きます。しかも宿題はタイ人の学生と同じものが出たので、みんなが終えたあとも、私は図書館で続きをやることが多くありました。

お昼は食堂で食べます。チュラロンコン大学では学部ごとに自分たちの食堂を持っているところが多く、どの学部の何がおいしいという噂も伝わってきます。文学部のフライドチキンは有名で、ほかの学部から食べに来る人もいるそうです。私も同じ食堂に飽きたときは、工学部の食堂まで足を延ばしていました。私が通った日本の大学では食堂はキャンパスごとにあったので、学部ごとの食堂はとても面白く感じました。

卒業した先輩までつながる「サーイラハット」

タイの大学でほかに特徴的なものは何か、と話を進めて出てきたのが「サーイラハット」です。サーイは線や筋、ラハットは番号やコードのような意味です。

基本は学部の中で、先輩と後輩がバディを組みます。1年生で入ると、すぐ上の2年生にバディがいて、その先輩にもバディがいて、3年生、4年生と続きます。その上は、もう卒業した人たちです。先輩から後輩へ一本の線のように連なっているので、この名前なのだと思います。

何をするのかをちゅうちに聞くと、ご飯に行ったり、後輩にお菓子をあげたりするそうです。1年生から4年生までが1つのLINEグループに入っていて、そのメンバーで集まります。どれくらい熱心に集まるかは、グループによってまちまちです。新しく入った学生が先輩とつながり、必要なサポートを受けられるようにするための仕組みなのだと思います。

私はこれをいい仕組みだと思い、日本に帰ってから自分でも少しやってみたことがあります。ただ、あまり続きませんでした。日本では、サークルや部活の先輩後輩が、この役割を少し担っているのかもしれません。

新歓「ラップノーン」は、大学の行事

もう一つ、似ているようで違うのが新歓です。タイでは「ラップノーン」と言い、ラップは受け入れる、ノーンは後輩という意味です。私が通った日本の大学では、新歓はサークルや部活ごとに行うものでした。

ラップノーンは、学部ごとに行うこともあれば、全学の学生を混ぜた小さなグループで行うこともあるようです。私が見学に行ったのは、なぜか別の大学の文学部のラップノーンでした。形はいろいろでも、大学の公式な枠組みの中で行い、新入生はほぼ全員が参加する点は共通しています。

似ているのに、単位が違う

新入生を歓迎する、後輩を受け入れる、という考え方は、日本もタイもよく似ています。ただ、よく見ると違うのは、どの単位で行うかです。日本ではサークルや部活の中で、タイでは大学や学部の枠組みの中で、先輩と後輩がつながっていきます。

皆さんの周りのタイの方にも、「大学のとき、サーイラハットはあった?」と聞いてみてください。シリーズ「タイの学校」は、今回の大学で4本目です。

このシリーズでは、日本人の私とタイ人のちゅうちの2人で、日本やタイの文化や考え方について考察を深めています。どちらが良い・悪いという話はしません。

出演: 藤岡諒/ちゅうち 運営: Michi & Co., Ltd.(バンコク)